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ホワイトスポット治療Iconとは

こんにちは歯科医師の小野寺です。

突然ですが前歯に白斑(ホワイトスポット)がずっとある事ありませんか?

歯医者さんに相談しても経過観察か削って白い詰め物(コンポジットレジン修復)を行うかしか治療法がありませんでした。

しかし、最近になり白い白斑(ホワイトスポット)を削らずに治療できるアイコン(Icon)と呼ばれる治療法が出てきましてので説明致します。

アイコン(Icon)とは

アイコンとは欧米で開発された特殊な薬剤で、歯を削らずに初期虫歯やホワイトスポットなどの白斑を治療する材料です。

ドリルや麻酔を使わず、痛みもほとんどなくエナメル質を再石灰化しホワイトスポットの改善を見込みます。

アイコンは、酸によって脱灰したエナメル質に薬剤をしみこませることによって、歯を削ることなく、また早期にホワイトスポットを改善させ、エナメル質からミネラルが溶け出すのを防ぎます。

また、アイコンはエナメル質を補強して酸性になるのを防ぎ、ホワイトスポットの再発を防止する効果もあります。

※YOSHIDA アイコンカタログ表引用

ホワイトスポットは何故できるの?

アイコン治療を行う前にまずなぜホワイトスポットが出来るのかを知らなければいけません。

ホワイトスポットには大きく分けて2つの原因があります。

1、虫歯が原因で出来るホワイトスポット

初期う蝕(初期虫歯)によるホワイトスポット の特徴は脱灰と言われる現象です。

虫歯菌が作り出す酸によって歯のリンやカルシウムが溶け出すことを脱灰といいます。

これが虫歯の始まりですが、初期の虫歯では脱灰は生じていてもまだ穴はあいていません。歯の表面は溶けないで内部から溶けていくのです。

脱灰が生じている部分は細かい空洞がたくさん出来るため、この部分が他の健全な歯と較べると光の屈折率や透過性の違いで白く見えます。

2、エナメル質形成不全が原因のホワイトスポット

乳歯のときに外傷や感染、または病気や栄養障害により歯の表面のエナメル質が正しく作られなかったことにより、その部分がホワイトスポット になることがあります。

これらをエナメル質形成不全と呼ぶます。

エナメル質形成不全は虫歯ではありませんので脱灰は生じません。

エナメル質が正しく作られなかったために健全な部分とは光の屈折率や透過性が違うので白く見えます。

アイコン治療の原理

アイコン治療は、液状の特殊なプラスチック樹脂をエナメル質のカルシウム成分が失われた脱灰部分に浸透させ、白濁を抑えミネラルが失われるのを防止します。

またアイコンには、エナメル質を補強して、お口の中に入ってくる酸による脱灰を予防する効果もあります。

アイコン治療方法

※YOSHIDA アイコンカタログ表引用

アイコン治療の利点

  • アイコン治療は歯を削りません。
    従来のホワイトスポット治療のように、白い斑点の部分を削って詰める治療ではありませんので、歯はほとんど削りません。
  • アイコン治療は効果が早い
    カルシウムを補う歯磨き粉でホワイトスポットの改善を期待する場合、長い時間がかかり、効果があまり出ない場合も多々あります。アイコン治療はその場で薬剤をしみこませるため、早ければ1回の治療でホワイトスポットが改善します。(効果には個人差があります)
  • アイコン治療は歯を強化する効果もある
    エナメル質に液状のプラスチック樹脂を浸透させるので、エナメル質を強化する効果も期待できます。

アイコン治療の欠点

  • 穴が開いているような通常の虫歯は不適応です。
    アイコンは液状のプラスチック樹脂をエナメル質に浸透させる治療ですので、実際に穴があいているような通常の虫歯は不適応です。
  • アイコン治療後にはホワイトニングができなくなります。
    アイコンは液状のプラスチック樹脂をエナメル質に浸透させるため、アイコン治療の後ではホワイトニングの薬剤が歯に浸透しなくなり、ホワイトニング効果もでません。
  • 他にホワイトスポットの大きさや深さ、状態によって治療には個人差があります。そのため1回のアイコン治療ではホワイトスポットが消失しなかったり、治療後徐々に時間をかけて(1ヶ月程度)消失することもあります。

まとめ

アイコン治療は歯を削らずにホワイトスポットを消失することができる治療法です。

利点として

・歯を削らずに治療できる

・治療してすぐにホワイトスポットが消失する事がある。

欠点として

・適応でない事がある。

(穴が空いてしまっている虫歯やエナメル質形成不全には効果が出にくいと言われています。)

・ホワイトスポットの大きさや深さ、状態によって治療には個人差があります。

そのため1回のアイコン治療ではホワイトスポットが消失しなかったり、治療後徐々に時間をかけて(1ヶ月程度)消失することもあります。

そのため当院ではアイコン治療して1ヶ月後に再評価のため来院していただきます。

ホワイトスポットが消失なければもう一度アイコンさせていただければと思います。

 

 

 

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虫歯治療

新年あけましておめでとうございます、歯科医師の小野寺です。

年末年始は虫歯などで痛む事無く、穏やかに過ごす事が出来たでしょうか。

よく歯医者さんで「この歯は虫歯だから治療しましょう」という言葉を聞く事があると思います。

反対に「この歯は虫歯ですがまだ治療しなくても良いので経過観察をしましょう」と言われる事もあるかと思います。

どっちが正しいの?治療しなくても良いのか?などの疑問が出てくると思います。

虫歯とは

虫歯はう蝕、う歯とも呼ばれ、多くの人々がかかっている慢性疾患です。

歯の表面を覆うエナメル質が溶け出す病気のことです。

甘い物や冷たいものがしみるといった症状が現れるようになります。

また、進行すると表面のエナメル質だけでなく、象牙(ぞうげ)質やその奥の神経が通っている部位にまで浸食されて、何もしていなくても痛みが生じるようになります。

歯の構造

歯は大きく分けて上から3層に分かれています。

1,エナメル質

歯の表面を被っている人間の身体組織の中で最も硬い組織です。

2,象牙質

エナメル質の内側にあり、歯冠部から歯根部までの歯を形づくる組織です。

エナメル質よりも柔らかく、酸に溶けやすい組織です。

象牙質には象牙細管という細い管が通っていて、管の中は組織液で満たされています。

3,歯髄

神経と呼ばれる組織で、神経線維のほかに血管やリンパ管などが通っています。
象牙質に栄養を補給しています。

虫歯の成り立ち

むし歯の原因は、口の中に潜んでいるミュータンス菌などのいわゆるむし歯菌です。

たくさんのむし歯菌は粘着性の物質を産生して歯垢(プラーク、バイオフィルム)を形成して歯の表面に張り付き、食べ物の中の糖分を分解して酸性の物質を生み、こうした酸は歯のエナメル質を脱灰(溶かす)するほど強力で、小さな穴をつくります。

これが虫歯の初期段階です。

そのため、むし歯はブラッシングなど口の中の衛生管理がうまくできていない場合に発症しやすいといわれています。

歯は唾液よって強化されたカルシウムとリン酸の構成を維持する能力を持っていますが、エナメル質が分解されるにつれてこの能力を失ってしまいます。

次第に、酸が歯に浸透し、内側から破壊していきます。

歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスが届きにくい位置にある歯もまた、歯垢がたまりやすく、それゆえ虫歯が形成されてしまいます。

 

虫歯の分類と治療法

虫歯は進行度に応じて5段階に分類し、それぞれ治療法が異なります。

1,初期の虫歯C0

初期虫歯では、歯の表面に穴はあいていません。

舌で触っても違和感はないのですが、視覚的には白濁していたりします。

痛みやしみるなどの自覚症状はありません。

治療はする必要がなく日々の歯ブラシやフッ素を塗る事で虫歯が進行しないように経過観察します。

2,エナメル質の虫歯C1

エナメル質だけに留まった虫歯では、表面に浅い穴があいています。

基本的に、痛みやしみるなどの自覚症状はありません。

治療法は虫歯菌に感染したエナメル質を削り、コンポジットレジン(プラスチック樹脂)などで修復します。

当院ではC1である場合はあまり歯を削らずに定期観察を行い、ケアをすることで虫歯の進行を防ぐ事をお勧めしています。

理由としましては2次う蝕のリスクが高いからです。

一度虫歯の治療をした歯がまた虫歯になることを2次う蝕といいます。

一度削った歯は天然の歯と比べると弱く、虫歯になりやすい状態になります。

但し治療するかしないは先生によって治療方針が違ってくると思います。

3,象牙質まで進行した虫歯C2

象牙質まで進行した虫歯は、深い部分まで穴があいています。

痛みを感じたり、冷たいものがしみたりすることが多くなります。

虫歯菌に感染したエナメル質および象牙質を削り,範囲が小さければ、コンポジットレジン修復をするだけで十分ですが、範囲が大きい場合は、インレーと呼ばれる大きな詰め物で治療することになります。

4,神経まで進行した虫歯C3

虫歯菌が神経まで進行すると、激しい痛みを伴います。

また、冷たいものを飲んだ理、甘いものを食べた時にしみることが多くなったり、安静時や夜間就寝時にも痛みを感じる自発痛が生じたりするようになります。

虫歯菌に感染したエナメル質および象牙質を削り、歯の神経を抜きます。

その後、歯の根の治療(根管治療)を行い、セラミックやレジンや金属でできた被せ物、詰め物で治療します。

5,歯の根っこだけ残った虫歯C4

虫歯が重症化すると、歯の根っこの部分以外は全て侵食され、崩壊します。

これを残根といいます。残根状態になると、歯の神経は死んでいますので、痛みを感じることはありません。

その状態で放置すると細菌感染がさらに根っこの方にまで進み、膿がたまったり、痛みが再発したりすることがあります。

残根状態になると、通常の虫歯治療が行えないため、抜歯治療を行います。

まとめ

虫歯の治療は大きさや程度、治療方針、患者さんの症状により大きく変わります。

基本的に当院では

C0,C1は虫歯治療をせず経過観察。

C2,C3では虫歯治療や歯の根の治療を行い、場合によっては局所麻酔を行います。

C4では局所麻酔を行い、抜歯治療を行います。

上記に記したように虫歯は痛みなどの症状が出てからでは治療が大掛かりになったり、治療回数がかかる事がありますので気になる事があればすぐにお近くにかかりつけの先生に診察してもらう事をお勧めします。

 

 

 

 

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冬になると増える副鼻腔炎(蓄膿症)

今日は歯科医師の小野寺です。

冬になると歯が痛くなり、噛むと痛い、目の下や鼻の横が痛いなどの症状が起こる場合があります。

歯医者さんで診断してもらっても歯は問題なかったりすることがあります。

その症状の場合もしかすると副鼻腔炎かもしれません。

副鼻腔とは

鼻の穴のことを鼻腔といいます。

私たちの顔の骨の中には、鼻腔につながる形で、副鼻腔という4対(計8つ)の空洞があります。

鼻のすぐ横の上顎洞(じょうがくどう)、目の間あたりの篩骨洞(しこつどう)、その奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、おでこの辺りにある前頭洞(ぜんとうどう)です。

鼻腔や副鼻腔の粘膜は繊毛で覆われていて、外から入ってきたホコリやウイルスなどの異物を鼻水とともに排出する働きをしていますが、副鼻腔炎による炎症で鼻水がドロドロになると、繊毛に鼻水が絡まり、この働きが低下してしまいます。

また、副鼻腔の入口は小さいため、こうした鼻水によってふさがってしまうと、中の炎症もどんどん進み、膿がたまってきます。

そのため蓄膿症と呼ばれるようになったのですが、膿はなく、粘膜が腫れているだけの場合もあります。 副鼻腔は頬や目、おでこの辺りにまで広がっていることがわかりますね。そのため、副鼻腔炎にかかると、頬や目の奥が痛んだり、頭痛が起こったりすることもあります。

※あなたのかかりつけ健康サイトサワイ健康推進課HP引用

歯科で副鼻腔炎になると上顎の奥歯から感染が起こり、上顎洞に腫れが起こります。

 

副鼻腔炎(蓄膿症)とは

顔の周りには副鼻腔といわれる空洞があります。

通常、副鼻腔は鼻腔(鼻の穴の奥)へと出口があり、副鼻腔の中は空気が入っています。 この副鼻腔に膿がたまったり、ポリープができる状態を副鼻腔炎といいます。

風邪症状などに伴って一時的に起こることを急性副鼻腔炎とよび、症状が長引いたものを慢性副鼻腔炎といいます。

慢性副鼻腔炎の原因としては、大きくわけて感染によるものとアレルギーによるものに分けられます。

特に細菌の感染により膿が長くたまった状態になることが蓄膿症といわれております。

副鼻腔炎の原因

副鼻腔炎の原因については歯からと鼻からの2つがあります。

歯性

歯が原因の場合上顎洞に炎症が起こるため上顎洞炎という病名になります。

歯が原因の蓄膿症です。
根尖性歯周炎(歯の根の治療している部位が膿んでくる)、歯周病などが上顎洞に波及した疾患です。
最近では歯科インプラント治療後の上顎洞炎が急増しています。
ひどくなると上顎洞炎だけではなく、篩骨洞、前頭洞にまで炎症が波及します。

鼻性

副鼻腔炎(蓄膿症)は、風邪のウイルスや細菌、アレルギーなどにより、副鼻腔の粘膜に炎症が起こることで発症します。

風邪(ウイルスや細菌感染)やアレルギーなどがきっかけで鼻の中で炎症が起きると、鼻の粘膜がれたり、ドロドロした鼻水が出てきたりします。

この腫れや鼻水によって、副鼻腔と鼻の間にある通り道(自然口)がふさがると、副鼻腔から分泌物や異物を排泄できなくなり、鼻水や膿がたまってしまいます。

こうして起こるのが副鼻腔炎(蓄膿症)です

副鼻腔炎の症状

1. 鼻水
2. 鼻づまり
3. 頭痛、顔面痛
4. ほおの圧迫感や違和感
5. 鼻の中に悪臭を感じる
6. 匂いがわかりずらい(嗅覚低下)
7. 鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)
8. 歯痛

副鼻腔炎の診断

診断はX線撮影またはCT撮影で行います。

X線で診断可能な場合も多いですが、X線のみでは、はっきりしなく詳しく診査するためには、CTを撮影します。

歯科では歯性由来の上顎洞炎なので、原因は歯の根尖病巣、辺縁性歯周炎であり、大きな病巣はもちろんのこと小さな病巣でも感染源になりえます。

歯性上顎洞炎の場合、原因歯の特定が重要となります。

この特定にはCTがとても有効です。

※松本歯科大学病院HP引用

副鼻腔炎の治療

最近の上顎洞炎はすぐ手術はせず、抗菌剤の服用で保存的に治療するのが一般的です。
しかし、歯性上顎洞炎は歯の治療が最優先されます。
虫歯や、感染した歯髄の根管処置をして感染源の治療をします。
もし歯を残せそうもなければ抜歯しなければなりません。

まとめ

副鼻腔炎(歯性の場合は上顎洞炎)の急性期は歯科の中で1番痛かったり、腫れる事がある病気です。

この寒くなった時期に突然歯がとても痛くなった、目の下まで痛い、鼻の横が痛いなどがあれば早めに歯科か耳鼻科へ行き、診断、治療を受けることをお勧め致します。

 

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新しい電動麻酔デンタペン

今日は歯科医師の小野寺です。

患者さんにとって歯科治療が怖い要因の1つに局所麻酔が挙げられると思います。

どうしても歯肉に針を刺すため痛みを伴うことがあります。

各歯科医院ではどうにか痛みを減らすために色々な工夫をしながら局所麻酔を行なっています。

局所麻酔とは

局所麻酔はその名の通り局所に麻酔薬を作用させて一時的に痛みなどの感覚を消失させる方法です。

歯科治療が好きな方は多くはありませんが、理由の多くは治療が痛いからです。

ですから局所麻酔は歯科治療に必要不可欠な麻酔法といえます。

局所麻酔の種類

1,表面麻酔法

麻酔薬を歯肉に塗って表面の感覚を麻痺させる方法です。歯自体を麻酔するためには浸潤麻酔や伝達麻酔といった注射がどうしても必要ですが、表面麻酔を行った後で注射をすると痛みを和らげることが出来ます。

実際には口の中にガーゼやコットンロールを入れて、歯肉に塗った麻酔薬が流れないように唾液をブロックし、数分間作用させます。

2,浸潤麻酔法

痛みをとりたい部分の歯肉に麻酔薬を注射する、いわゆる歯科で行われる麻酔です。

患者さんの中にも浸潤麻酔を経験された方がいらっしゃると思います。
浸潤麻酔は、治療をする場所の近くに麻酔薬を注入し、歯を支える骨に染み込ませ、神経に薬を効かせます。
奥歯(特に下顎)や麻酔が効きにくい場合(炎症が強く患者さんの痛みが強い)は何本か注射する場合もあります。

3,伝達麻酔法

伝達麻酔は、枝分かれした小さな神経に効かせる局所的な麻酔ではなく、口の奥の方を通る三叉神経の支流の太い神経の手元の近くに麻酔注射を打つというものです。

この太い神経から枝分かれしている細かい神経の末端まで広範囲に効きます。

この麻酔は2時間ほどしっかり効果が続くので、親知らずの抜歯に使用することがあります。

また、一度に広範囲の処置をする場合や、浸潤麻酔では効かない場合も使用します。

当院での局所麻酔方法(浸潤麻酔法の場合)

  1. 表面麻酔
  2. 局所麻酔(1~2秒)
  3. 2~5分待つ
  4. 局所麻酔
  5. 2~5分待つ
  6. 治療開始

浸潤麻酔法は上記に記したように骨に浸潤させて徐々に、麻酔を効かせていきます。

そのため麻酔が効くためには時間がかかります。

新しい電動麻酔デンタペン

当院では局所麻酔を行うために電動麻酔を使用しております。

局所麻酔は麻酔液をゆっくり一定スピードで注入することで、痛みを和らげることができます。手動では難しいその調整ですが、この電動麻酔注射器を使用すればその緻密なコントロールが可能となり、麻酔注射時の痛みを大幅に軽減することができます。

つい先日当院では新しい電動麻酔デンタペン(日本歯科薬品)を導入いたしました。

デンタペンの特徴

・小さくて軽い

従来の電動麻酔に比べて小さく、重さも40gととても軽いです。

・選べる3つの注入モード

局所麻酔の状況によりスピードを徐々に速めたり、一定にしたりと変えることが出来ます。

※日本歯科薬品デンタペン パンフレット参照

・ワンクリックで注入開始

※日本歯科薬品デンタペン パンフレット参照

小さくて軽いため女性や手の小さい先生でも持ちやすく、局所麻酔は最初が痛みが強く出るため、最初速度がゆっくりで徐々に速くなっていくシステムが素晴らしいと思います。

まとめ

局所麻酔は歯科治療では不可欠ですが患者さんが苦痛に感じる行為の1つです。

デンタペンは術者側にも患者さん側にも優しく、使いやすく、なるべく痛みが伴わないような電動麻酔になります。

そうすることで安心して局所麻酔、歯科治療を行えるようになれば良いかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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バイタルサインとは

今日は歯科医師の小野寺です。

皆様はこの2年間新型コロナウイルスにどうにかかからないように過ごされて来たかと思います。

そのため旅行やお食事などに行くような楽しみが無かったかと思います。

しかし、こんな世の中であっても私が唯一良かったなと思える事はコロナ禍になり、バイタルサインと呼ばれるご自身の身体の状態を皆様がとても気にされるようになった事かと思います。

バイタルサイン

バイタルサインは英語でvital signs。

日本語で生命兆候と訳されます。

生命兆候とは、人間が「生きている」 ことを示す指標のことですのでとても重要です。

具体的には「脈拍」「血圧」「呼吸」「体温」の4つを指標とし、数値を測定することでその日の健康状態を知ることができます。

そして、数値の経過をみることで、身体がどのような状態かを医療従事者が判断することが可能になります。

例えば今のコロナ禍においては毎日の体温と動脈血酸素飽和度(Spo2)の値をお家でも測定する事で感染しているかどうかの指標になっていました。

その際に重要になってくるのが正常値でありまた、どこまでが正常範囲なのかという事です。

脈拍

脈拍は、1分間の間に心臓が拍動する回数のことを表しております。

脈拍は、身体のすみずみまで血液が行き渡っているかどうかを知る指標になります。

脈拍の数やリズムに異常があると、心臓や血液循環に関連した病気が疑われます。

また、リハビリやスポーツを行う時のADL(日常生活動作)や運動強度の指標にも用いられます。

脈拍の正常値は1分間に60〜100回。

個人差が大きく、年齢や体温、動いたあとなどの活動内容によっても、容易に数値が上下しますし、元々が脈拍40回の徐脈の方や100回の頻脈の方などもいます。

一般的に手首の親指側、動脈が触れる場所で測定するので脈拍と言われます。 自動血圧計で血圧を測定すると、血圧の数値の高い値と低い値、そして脈拍の数値が出てきます。

また、動脈血酸素飽和度(サチュレーション、Spo2)測定器(パルスオキシメーター)においても脈拍が表示されます。

歯科治療時では局所麻酔時の薬の影響や抜歯中の緊張などで脈拍が大きく上がることがあります。

血圧

血圧とは心臓から全身に送り出される血液が血管を押す力のことです。

心臓が筋肉をギュッとしぼめた時を上の血圧(最高血圧)、逆に筋肉が最もゆるんだ時を下の血圧(最低血圧)といいます。

日本高血圧学会では、正常血圧は上の血圧が120mmHg、下の血圧が80mmHg未満と規定しています。

一般的には上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg以上の場合が高血圧症といわれています。

血圧を測ることで、心臓から出た血液がどれだけの力で血管を押しているかがわかります。

この血管を押す力が強いと、血管を傷つけてしまう恐れがあります。血管を傷つけてしまうと脳内出血や心臓病などが起こりやすいのです。

歯科では治療中に緊張によるストレスで血圧が大きく上昇することがありますので高血圧症の患者さんは常に生体監視モニターを行いながらの診療が必要な時があります。

呼吸

生物が身体を動かすエネルギーを作るために必要な要素の1つに酸素があります。

この酸素を肺で体内に取り込み、細胞で消費し、老廃物となる二酸化炭素を体外へと排出する仕組みが呼吸と言われています。

呼吸は見る、聞くことによってわかることが多くあります、また呼吸をしていても酸素を取り込む状態が悪いと身体に中の酸素が足りなくなってしまいますので、合わせて動脈血酸素飽和度(サチュレーション、Spo2)の値も非常に重要になります。

成人の場合、1分間に12~20回の数が正常値とされています。

正常値は年齢によって異なり、新生児では35~50回、乳幼児は30~40回と言われています。

これは新生児から学童期に至るまでの間は肺の成長途中であり、1回で換気できる量が少ないため、呼吸の数で取り込む酸素の量を補っているからです。

動脈血酸素飽和度(Spo2)とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示します。

血液中には酸素を運ぶヘモグロビンがあります。Spo2は血液中(動脈)にヘモグロビンの何%が酸素を運んでいるかを調べています。

正常値は96 %以上

95 %未満は呼吸不全の疑いがあり、90 %未満は在宅酸素療法の適用となります。SpO2 は、パルスオキシメータという簡易装置を用いて測定します。

体温

調子が悪いかな?咳が出るな?身体が倦怠感があるな?

そう思ったときには、まず体温を測る、という方も多いと思います。

私達は環境が変わって気温が変化しても、体温も同じように変化することはなく、ある程度は維持することができます。

その体温が変化していくと、体の中で何らかの異常が起きている場合があります。

熱が高いときは、体のどこかにウイルス感染症がある場合が多いです。

熱が低いときの原因としては、寒い場所に長時間いる場合やお酒の飲みすぎ、 栄養低下などが考えられます。

体温の平均値は一般的には、36℃〜37℃とされています.

個人差があり、体温を測定する時間や食事・運動などの活動、性別、年齢によっても変動します。36〜37℃が、身体の中の細胞を効率的に働かせる温度と言われています。

 

まとめ

バイタルサインは自分たちが生きていく、健康な生活を送るために重要な指標になります。

コロナ禍になり改めて自分がどのような身体の状態なのかを知った方も多いのではないでしょうか。

健康に長生きするためには日々のバイタルサインを調べ、異常が起きた時に早めに病院へ行き、ご自身の日常の身体の状態をうまく伝えることがとても大切になって来ます。

 

 

 

 

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高濃度ビタミンC点滴療法

今日は歯科医師の小野寺です。

ここ最近朝と夜の気温が下がり、湿度の低下とともにウイルスの活性化やお肌や手の乾燥が見られるようになって来ました。

私自身も今月初めにインフルエンザウイルスのワクチン接種をしましたが、今年は流行しそうとの事なので検討されている場合は早めにかかりつけの先生に相談してみてください。

また、一人一人の健康管理が難しくなって来ますので本格的に寒くなる前に、今から少しずつ対策をとり急な気温の低下、乾燥、インフルエンザに負けない体を作ることが重要になって来ます。

そのために必要なのがビタミンCです。

ビタミンCとは

緑黄色野菜やレモン、アセロラなどの果物に豊富に含まれる水溶性のビタミンで、別名アスコルビン酸と呼ばれています。

食品中では緑黄色野菜やレモン、みかん、アセロラなどの果物に多く含まれています。 熱に弱いため、調理の際には長時間の加熱に注意が必要です。

食生活の変化や乱れ、野菜に含まれる栄養素が昔と比べて減少していることや、 ストレスや紫外線などで消費されてしまうことなどの様々な理由から、 現代社会に生きる私たちは積極的に補う必要があります。

ビタミンCには、ストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
またビタミンCは体内で作れないため、日常的に摂取する必要があります。
冬は体力が低下しやすいので、このビタミンCを普段より積極的に摂って抵抗力を保っていきましょう。

当院では良い口腔内環境をつくる予防歯科の一環として高濃度ビタミンC点滴療法を行っております。

ビタミンCは経口摂取しても少量しか体内に吸収されません。一度に飲めば飲むほど吸収されずに排出されてしまうのです。10gのビタミンC投与の場合、点滴療法では経口摂取の25倍、投与量によっては70倍以上の効果を得ることができます。
つまり一度の点滴で数か月分のビタミンC効果を得ることができるのです。

高濃度ビタミンC点滴のメリット

歯科

  • 歯肉炎、歯周病の予防
  • 口腔内金属アレルギー
  • 抗がん作用
  • 歯肉のコラーゲン合成促進(生成の補酵素)
  • 歯肉の黒ずみ(メラニン産生抑制)
  • 抜歯やインプラント治療後・歯周病の手術後の回復力増強・免疫力の向上

全身

  • アンチエイジング
  • 美白
  • 美肌
  • インフルエンザ発症予防
  • 花粉症の予防と軽減
  • 抗酸化作用
  • 風邪予防
  • 不安な気持ちを抑える(ストレスと戦う副腎ホルモンをつくるための栄養素)

高濃度ビタミンC点滴のデメリット

  G6PD欠損症(グルコース6リン酸脱水素酵素欠損症)

G6PDという抗酸化成分の濃度維持に重要な酵素です。欠乏していると薬剤や細菌感染、ソラマメの摂取などを引き金にし溶血を生じます。

溶血性貧血が高度の場合は輸血になることもありますが、引き金になるものがなくなれば通常は一過性で自然に回復します。

日本人では0.1~0.5%程との報告があります。

G6PD欠損症の人に高濃度ビタミンC50gの点滴を行った場合、溶血反応が起こるとされています。また、高濃度ビタミンC25gを継続的に行う場合も溶血反応がでることもあります。

25g以上投与される場合はG6PD欠損症に対する検査を行う必要があります。

高濃度ビタミンC点滴の適応でない患者様

  • ビタミンCに対するアレルギー、
  • 鉄過剰症(ビタミンCは鉄の吸収を促進するため)
  • 腎不全
  • 脱水状態(利尿効果があるため)
  • コントロール不良の糖尿病(脱水を助長するため)
  • 高度の心不全(点滴ボリューム負荷により悪化が懸念される場合)
  • 腎結石症

上記に当てはまる方は受けていただけません。

高濃度ビタミンC点滴中の副作用

重篤な副作用はないと報告されています。比較的起こりうる副作用として以下のようなものがあります。

① 点滴痛

点滴治療全般に言えることですが、点滴刺入部に局所的な痛みを感じることがあります。局所的な痛みを感じるのは静注速度が早すぎるために起こります。この血管痛に対しては、マグネシウムの添加、点滴速度の調整、温湿布などで軽減できます。

② 口渇(のどが渇く)

高濃度ビタミンC点滴には利尿作用があります。点滴中はミネラルウォーターやノンカロリーのお茶などでこまめに水分補給を行っていただきます。

③ 低カルシウム血症

ビタミンCはカルシウムをキレートする(尿として外に出す)働きがあり、筋肉のけいれん、しびれなどの症状を認めることがあります。カルシウム製剤を投与することで速やかに改善されます。

④ 低血糖(めまい、冷や汗、疲労感など)

ビタミンCはブドウ糖と化学構造が極めてよく似ており、高濃度ビタミンC点滴によって体は「ブドウ糖が入った」と勘違いして、血糖を下げるインスリンを分泌することがあります。

そのため低血糖を生じることがごく稀にあります。

点滴前はできるだけ食事を摂取していただくようにしています。

⑤ みせかけの高血糖

糖尿病の方で簡易血糖測定器を使用している場合、高濃度ビタミンC点滴後に測定すると高血糖の値が出ることがあります。ビタミンCとブドウ糖の化学構造が極めてよく似ているために起こる現象です。

糖尿病患者さんの場合、簡易測定器で高血糖であった時にあわててインスリンを投与すると低血糖になってしまいます。

自宅で簡易血糖測定器を使用している方は、ビタミンC点滴12時間後は血糖測定を控えて下さい。

⑥ アレルギー ビタミンCそのものに対するアレルギーは稀です。

時々起こるアレルギー症状は、溶液に加えられたビタミンC以外の成分、もしくはこれらの成分に含まれた化学防腐剤が原因であることがほとんどです。

高濃度ビタミンC点滴1回にかかる時間

ビタミンCの量などにより変わりますが30分〜60分時間を頂きます。

高濃度ビタミンC点滴はどのくらいの頻度で行いますか

月に1〜2回行うと良いとされています。患者さん個人個人と健康状態を確認しながら進めていきます。

高濃度ビタミンC点滴の費用は?

ビタミンC25g                                       9000円税込

G6PD欠損症検査                        8000円税込

まとめ

高濃度ビタミンCは歯科では歯茎や歯を支える組織の健康にとって大きなメリットがあります。

また、全身的にも免疫力アップ効果、抗炎症効果、抗酸化作用、コラーゲン生成促進効果などが期待できるため身体の健康にも繋がります。

副作用ではG6PD欠損症による溶血が可能性がありますが検査を行えば問題ありません。

ぜひご興味ある方はご連絡ください。

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いい歯の日(11月8日)

こんにちは歯科医師の小野寺です。

皆さんは11月8日はいい歯の日とご存知でしょうか。

いい歯の日とは日本歯科医師会は1993年(平成5年)より、11月8日を「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせでPR重点日として設定し、この日に合わせて国民へのさまざまな歯科保健啓発活動を行っています。

※日本歯科医師会HP参照

江戸川区でも歯と口の健康に関する啓発活動の一環として「いい歯の日のリーフレット」を、毎年、保育園・幼稚園を通じてお子さんのいるご家庭へ配布しています。今年度より、3歳・4歳・5歳児を対象とした内容とし、子どもと共に楽しんでいただけるよう、むし歯予防・ケアのポイントをまとめました。

※江戸川区役所HPより引用

なお、歯と口に関するご相談がありましたら、お近くのかかりつけ医にご連絡ください。

いい歯とは?

ではいい歯とはどのような歯の事なのでしょうか。

  • 虫歯のない歯
  • 痛くない歯
  • 歯ブラシで出血しない歯
  • 噛合せの良い歯
  • 白い歯

などが思い浮かぶかと思います。

明確な答えを出すことが難しいため漠然としていますが、生活において食べる事に困らない歯がいい歯なのではないかと思います。

高齢者になったとしてもご自身の歯で何でも食べる事が出来るが健康に影響がある事がわかってきております。

2016年に日本は80歳以上で歯が20本以上ある患者さんが50%を超えました。

歯が20本以上ある患者さんの方が自立度も高いことがデータでも分かります。

いい歯がもたらす健康

いい歯が有り、よく噛めることは単に食べものを体に取り入れるためだけではなく、全身を活性化させるのにたいへん重要な働きをしているのです。

  • 肥満を防ぐ
  • 味覚の発達
  • 発音がはっきりする
  • 脳の発達
  • お口の中の病気を防ぐ
  • ガンを防ぐ
  • 胃酸の働きを促進する
  • 全身の体力向上

噛むことで、食べものの味や食感等、様々な感覚情報が脳に伝えられ、脳が活性化します。よく噛むことで、脳の思考や学習等をつかさどる部位も活性化し、高齢者の記憶や認知機能が維持・向上するという研究結果もあります。

いい歯を保つためには

1、定期検診

磨き残しや虫歯の全体的なチェックを行なうことで虫歯予防に努め、さらに虫歯の早期発見、早期治療を行なうことができます。
歯周検査・レントゲン撮影・口腔内の撮影を行なうことで歯周病の状態の変化を経時的に追うことができ、個々のセルフケアの資料作成、提案が行ないやすくなります。また、お口の中のクリーニングを行なう(プロケア)ことで、普段自分がどうしても清掃できない場所の「歯石の除去」や「バイオフィルムを破壊」をすることで歯周病の進行を遅らせることが出来ます。

そうする事で歯が無くなる事を防ぎます。

2、よく噛んで食べる(できれば1口30回)

上記に記したようによく噛んで食べることは様々な健康をもたらします。そのためにゆっくりと味わって食べましょう。食べ物によって噛みごたえは違います。噛みごたえのある食べ物は、ひと口30回を目安によく噛んで食べましょう。

また、食べ物が口の中にある時は、飲み物を摂らないようにしましょう。飲み物で流し込んでしまうと、食べたものが細かくならないうちに胃に送られてしまうので消化によくありません。よく噛むと、食べ物が細かくなり、自然に飲みこめるようになります。

まとめ

いい歯を保つことは生活の質(QOL)の向上、長く、楽しい人生を送るためにはとても重要です。

そのためには

定期検診に通い虫歯の早期発見、早期治療、歯周病の状態の変化を経時的に追うこと。

お口の中のクリーニングを行ない清潔に保つこと(プロケア)。

よく噛んで食べることを行なってもらい1日でも歯を残して、健康的な生活を過ごしてもらえればと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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インフルエンザウイルス

こんにちは歯科医師の小野寺です。

今年も早いものでもう年末に差し掛かってきました。新型コロナウイルスの感染者数が減少し、緊急事態宣言が解除されましたが冬になると今度はインフルエンザウイルスが流行し始める可能性があります。

その為にも早めのワクチン接種をした方が良いのか?もう少し遅らせて接種した方が良いのか?新型コロナウイルスワクチンと並行して接種していいのか?など悩んでしまいますよね。

ただ毎年のように流行を繰り返すインフルエンザは高齢者や基礎疾患がある方は重症化して、死に至ることも少なくありません。

その為インフルエンザウイルスに対する備えはとても重要だと思います。

インフルエンザウイルスの分類

インフルエンザウイルスには、大きく分けて、A、B、Cの3つの型があります。

A型インフルエンザウイルスは、ヒトや鳥、豚などの動物が感染し、B型とC型のインフルエンザウイルスは、ヒトだけが感染するといわれています。

ヒトが、A型とB型のインフルエンザウイルスに感染した場合、鼻水、くしゃみ、咳、発熱などの症状に加え、38°Cを越えるような高い熱や頭痛、筋肉痛などの全身症状が強く出ます。
我が国の場合は主に冬場が中心となりますが、国や地域によって流行が起こる季節があることから、季節性インフルエンザと呼ばれることがあります。
一方、C型インフルエンザウイルスに感染した場合は、鼻水が増える程度の症状で済むことが多いとされています。また、感染を繰り返さないことから、健康上は問題視されません。

インフルエンザウイルスに対する予防

ヒトのインフルエンザウイルスは、感染者や患者の鼻水、咳やくしゃみによって飛び散る飛沫に含まれています。

そのため、ヒトのインフルエンザウイルスの感染経路は以下の二つとみられています。
まず、飛沫を含んだ空気ごと吸い込み、鼻やノドの粘膜に感染する飛沫感染
もう一つは、飛沫で汚染されたものを触った手から目や鼻、口の粘膜に感染する接触
感染
・飛沫感染の予防策は、マスクの着用とこまめなうがい
・接触感染の予防策は、手洗い、汚染された手で目や鼻、口に触れなことです。

ほとんどが今日本中で行われている新型コロナウイルスに対する予防と同じですね。

あとは毎年のワクチン接種が発症や重症化を予防するのにとても大切かと思います。

インフルエンザ予防接種に対する質問

・ワクチン接種は1回で良いのか?

13歳以上の方は、1回接種が原則、13歳未満は2回接種です。1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価の上昇が得られることからです。

・昨年ワクチン接種を受けましたが今年も受けた方が良いのでしょうか?

インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されると判断されたウイルスを用いて製造されています。このため、昨年インフルエンザワクチンの接種を受けた方であっても、今年のインフルエンザワクチンの接種を検討して頂く方が良い、と考えられます。

・インフルエンザワクチンの接種はいつ頃受けるのがよいですか?

日本では、インフルエンザは例年12月~4月頃に流行し、例年1月末~3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。

※厚生労働省 令和2年インフルエンザQ&A引用

 

インフルエンザウイルスとお口の中の関係

インフルエンザウイルスの感染拡大にはプロテアーゼやノイラミニダーゼと呼ばれる酵素が関わっています。

人のお口の中は1千〜1兆個もの細菌がすみ着いています。
これらの口腔内細菌はプロテアーゼという酵素を出す特性があります。
口腔内を不潔な状態にしておくと細菌が増殖しますし、プロテアーゼがインフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくする働きがあります。

プロテアーゼの働きにより、鼻や喉などの気道の粘膜に付着し細胞内に侵入したインフルエンザウイルスは、ノイラミニダーゼというたんぱく質を溶かす酵素の働きで細胞外に放出されて、増殖して感染を拡大します。

タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬はインフルエンザウイルスに直接作用するわけではなくノイラミニダーゼの働きを抑え、インフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込めることで感染が広がるのを防ぐ薬剤です。

その為インフルエンザウイルスを予防する為にもお口の中を清潔な状態にしておくことがとても需要になります。

それはむし歯や歯周病の原因となる細菌が増殖して、この中にプロテアーゼやノイラミニダーゼを出す細菌が含まれている為、お口の中が不潔な状態だと、これらの酵素の量が増え、インフルエンザの発症や重症化を招きやすくなります。

他の病気に対してもそうですがお口の中をクリーニングやメインテナンスで綺麗にしてお口の中を綺麗に保つことがこの冬病気をせずに乗り切る為にも重要かと思います。

 

 

 

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歯科訪問診療

こんにちは歯科医師の小野寺です。

突然ですが日本は高齢化社会になっている実感はありますでしょうか?私はまだ漠然としていますが患者さんでもご高齢になり歩いての来院などが難しいなどのお声をよく聞く事が多くなったなと思います。

実際にはもうすでに日本は高齢化社会に突入していて、日本の人口の20%になり更に増えております。そんな世の中でお口の中は食べることだけではなく、生命や社会的生活を営むために根本的な役割を持っています。

そのため日本歯科医師会は、患者さんがいかなる状況や環境下におかれても、歯科医療を受けられるように都道府県・郡市区歯科医師会とともに在宅歯科医療のシステムを構築してまいりました。超高齢社会を迎え、ますます歯科訪問診療が必要とされる時代を迎えたといえます。

皆さんは歯科医師が行なっている訪問診療をご存知でしょうか。

歯科訪問診療とは

歯科訪問診療はその言葉のごとく何らかの身体的、精神的理由で歯科診療所に通院できない方に対し、歯科医師、歯科衛生士が自宅や介護施設、病院等に訪問し、歯科診療や専門的口腔ケアを行う制度です。

どのような方が対象になりますか?

在宅等で療養を行っており、疾病、傷病のために通院による歯科診療が困難な方が対象になります。なお、内科等の他科に通院している方は対象から除かれることがあります。

江戸川区近郊の方が対象ですか?

医院から半径16kmの範囲内が訪問診療可能地域になります。

歯科訪問診療は何を行うのか?

主に3つの事を重点に行なっていきます。

  1. 歯科診療
  2. お口のケア
  3. リハビリテーション

1.歯科診療

歯科診療では本来歯科医院へ来てもらい受けるような事も訪問し行えるようになって来ました。

具体的には

  • 虫歯治療
  • 入れ歯の調整

  • 抜歯

などを行うことが出来ます。

当院では全身疾患のある患者さんの治療にも対応できる様に生体監視モニターを使用し、血圧、心拍数、心電図、動脈血酸素飽和度を確認しながら安全に診療を行うことが出来ます。

2.お口のケア

高齢者の方々の中には、歯科医院に通院したくてもそれが叶わない方がたくさんいらっしゃいます。

「おいしい食事」も「楽しい会話」も、お口の健康があってこそ実現するものです。

お口の健康は、身体の健康だけでなく心にも影響することもあります。

また、肺炎の中でも最も多い誤嚥性肺炎は、口腔ケアを行うことによって、かなりの確率で予防できることがわかってきています。

具体的なメリット(リハビリテーションとも重複します。)

  • 口の中を清潔に保って細菌の増殖を防ぐ
  • 体力や体の免疫強化
  • 唇やの頬、舌の動きをよくする
  • 会話などのコミニュケーションを良くする
  • 唾液の分泌を促し、口の中の乾燥を防ぐ
  • 誤嚥性肺炎など、全身的な感染症を防ぐ
  • 味覚を保ち、食欲を増進させる
  • 認知症予防

その為にも定期的なメインテナンスはとても重要になります。

3. リハビリテーション(接触、嚥下)

食べ物を咬み、飲み込んで胃腸へ送り込むことをいう摂食嚥下と言います。
これがうまく働かなくなる状態を摂食嚥下障害といいます。
その特徴には、食事の際に口が大きく開けられない、むせる、咳込む、うまく飲み込めない、食後に声がかれるといった状態が挙げられます。

加齢変化で食事をするとむせてしまうのはこの状態です。

摂食嚥下障害は身体の脱水症状や栄養不足を招き、さらには窒息や誤嚥性(ごえんせい)肺炎を引き起こすことにもなりかねません。
放置せず、きちんと治療することが大切です。

接触、嚥下トレーニング

 

  • 唇や舌を動かすなど、お口まわりの筋肉のトレーニング
  • 発声・呼吸などの機能維持および改善
  • だ液腺のマッサージ
  • リラクゼーション

 

まとめ

お口の中を虫歯が無く、汚れもない状態にしておくことはQOL(生活の質)の向上にとても大切なことです。また、人間の機能はどうしても年々落ちていきますがそれを少しでも遅らせることでお口の中の噛む、飲み込むなどの機能を維持していくことも大切です。

その為には歯科医院へは遠くて行けずに足が遠のいてしまっている方やどうして良いかわからない方は1度訪問のご相談いただければと思います。

 

 

 

 

 

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インプラントにサージカルガイド

今日は歯科医師の小野寺です。

近年歯科ではインプラントの手術が多く行われるようになってきています。

歯を抜いて無くなってしまった場所にインプラントを埋入し、それを土台として被せ物や入れ歯を作る事でとても良く噛む事が出来る状態に戻す事ができる素晴らしい治療です。

しかし、インプラントは顎の骨の中にインプラントを埋入する手術になります。

自分達が術前想定していた場所や深さと違ってしまう事があります、少しのずれなどは通常ではあまり問題ない事も多いのですが下顎の場合、神経に近い場所に手術を行う時などは神経損傷のリスクを伴う事があります。

そのリスクを回避するためにも当院ではインプラント手術に対してサージカルガイドと呼ばれるマウスピースを使用して行います。

インプラントとは

インプラントとは、骨の中に純チタン製の小さなネジの様なインプラント体を埋め込み、その上に人工歯を固定する治療法です。 入れ歯やブリッジでは、歯茎より上の歯冠の部分は再現できても、歯根を再現することはできません。

インプラントの治療では、歯根まで再現し、見た目と機能の両面において、元の自然な状態に近づけます。

インプラントのメリット

  • 強く噛める
  • 左右でバランスよく噛める
  • 食べ物の食感が楽しめて,おいしく味わえる
  • 取り外す煩わしさがない
  • 隣の歯を削らずにすむ
  • 自分の歯に負担がかからず,歯が長持ちする(10年位)

インプラントのデメリット

  • 外科治療となるので,痛み・腫れ・出血・合併症などの可能性がある
  • インプラントを埋め込む顎の骨に十分高さや厚み,量がないと,治療が難しくなることがある(CTで要確認)
  • 状況により,見た目が自分の歯と異なることがある
  • 治療期間が長くなる(4ヶ月〜6ヶ月)
  • 治療費が高額になる(1本40万円前後)
  • 治療後のメンテナンスを継続しないと,長期間使えなくなる(一生物ではありません)

インプラント治療はデメリットもあり、特に上の2点

  • 外科治療となるので,痛み・腫れ・出血・合併症などの可能性がある
  • インプラントを埋め込む顎の骨に十分高さや厚み,量がないと,治療が難しくなることがある(CTで要確認)

に関しては手術を行う上では重要で術前にどれぐらい想定し、正確な位置に埋入出来るかで大きく術後が変わってきます。そのためにサージカルガイドが必要になります。

サージカルガイドとは

サージカルガイド(マウスピース)を使ったインプラント治療の重要な事は、しっかりと最後に入れる被せ物の位置を考えてからインプラントの埋める位置を決めていくといった考え方です。

理想的な被せ物の位置を決めた後に、それを再現できるようにサージカルガイドを設計して、インプラント埋入手術に臨みます。サージカルガイドは、基礎を正しく作り上げるための装置なのです。

サージカルガイドのメリット

1、最終的な歯の形を考えて、それに合わせて治療を進められる

2、下顎の骨の中を通っている神経を回避してインプラント埋入ができる

3、歯茎を切開しなくてもインプラント手術が可能で、負担が抑えられる.

サージカルガイドのデメリット

サージカルガイドの作製費用がかかる(3万円前後※埋入本数により変わります)

まとめ

サージカルガイドとはインプラントを正確に埋入するためのマウスピース装置です。

使用する事で

1、最終的な歯の形を考えて、それに合わせて治療を進められる

2、下顎の骨の中を通っている神経を回避してインプラント埋入ができる

3、歯茎を切開しなくてもインプラント手術が可能で、負担が抑えられる

などの利点を得る事が出来ます。

デメリットとしてサージカルガイドを用いる場合はサージカルガイドの作製費用がかかってしまいますが、その代わりに精度の高いインプラント治療が可能となります。

それだけでなく、手術中・手術後の双方におけるリスク・エラーを低減することにもつながるため、手間や費用をかける以上の価値はあると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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