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唾液について

こんにちは歯科医師の小野寺です。

前日小児の患者さんに唾液について調べているので教えて欲しいとの事で質問をお受けしましたが上手く答えることが出来ずに申し訳ないことをしてしまったなという出来事がありました。

お口の中からでる唾液について恥ずかしながら大学で勉強して以来ほとんど学んでこなかったので勉強をして、日々の臨床に生かさないといけないと反省しました。

唾液とは

唾液は、唾液腺(耳下腺、舌下腺、顎下腺等)から口腔内に分泌される体液です。

唾液腺とは

唾液腺とは唾液をお口の中で出す入り口です。

大唾液腺(耳下腺、舌下腺、顎下腺)と小唾液腺(口唇腺、頬腺、口蓋腺 、臼歯腺、舌腺 )に分かれていて、唾液の95%は大唾液腺から出ます。

唾液が出るメカニズム

唾液線からの唾液分泌は、自律神経(交感神経、副交感神経)の二重支配によってコントロールされています。
交感神経の興奮によって、神経伝達物質のノルアドレナリンが分泌され、アドレナリン受容体に結合すると、アミラーゼなどの唾液タンパク質が分泌されます。

副交感神経の興奮では、アセチルコリンが分泌され、ムスカリン受容体に結合すると、血漿成分中の水が唾液として分泌されます。

※モリタHP 自律神経と唾液分泌 引用

唾液の分類

1)刺激唾液

食物による味覚や嗅覚による刺激、酸などの化学物質による刺激、機械的刺激により分泌された唾液。

2)安静時唾液

刺激が加わっていないときに分泌される唾液。

唾液の分泌量、成分

分泌量は、正常な方で1日1リットル〜1.5リットルです。

成分は唾液の約99.5%は水分でできています。
残りの約0.5%は

無機成分としてカルシウム、リン酸、ナトリウムなど

有機成分として唾液アミラーゼ、マルターゼ、血清アルブミン、血清グロブリン、ムチン、尿酸、尿素などが含まれています。

これらの成分と水分が総合的に働いて、私たちが健康な生活を送るために欠かせない役割を果たしています。

唾液の役割

  1. 潤滑作用:粘膜を唾液が覆うことにより、食べること発声を行いやすくします。
  2. 粘膜保護作用:唾液の有機成分ムチンにより色々な刺激から粘膜が保護される。
  3. 洗浄作用:分泌された唾液が、食べかすや汚れを洗い流します。
  4. 消化作用:アミラーゼによりデンプンを分解する酵素が含まれています。よく噛んで食べ物と唾液が混ざることで、食べ物をやわらかくして胃での消化を助けます。
  5. 溶解作用:食べ物が唾液と混ざることで味を感じることができます。
  6. 緩衝作用:食事によって口の中が酸性になると歯が溶けて虫歯になりやすくなりますが、唾液の成分である重炭酸イオンがその酸を中和し、お口の中を中性に戻します。また唾液に含まれるカルシウムやミネラル成分は、酸によって溶けた歯の再石灰化に関わっています。
  7. 抗菌作用:リゾチーム、ペルオキシターゼ、ラクトフェリン、ヒスタチン、分泌型IgA(SIgA)などにより健常な口の中にいる菌のバランスを維持することで、口の中の環境を保ったり、外からの細菌の侵入を防いだりして、体を守っています。

唾液の分泌の変化

加齢や内服薬により唾液の分泌も量が減少したり、成分が変化したりしていきます。

  1. 加齢による変化:70歳以上から形態に変化が生じる(腺房細胞の減少)
  2. 加齢による唾液成分の変化:加齢に伴い、ムチン、分泌型IgAが減少することにより、細菌その他の因子に対する防御機能の低下を示す。
  3. 加齢による唾液分泌量の変化:安静時唾液の分泌量変化が認められる。
  4. 薬剤による唾液分泌の減少:三環系抗うつ薬、抗精神病薬、降圧剤、ステロイド、抗ヒスタミン剤などによる分泌量の減少が認められます。

 

唾液の分泌を減少させないために出来る事

  1. よく噛んで食べる:噛むことが刺激となって唾液の分泌が促されます。ゆっくりよく噛んで食事を楽しみましょう。ガムや歯ごたえのあるものを噛むことも、良い刺激になります。

  2. 日々をリラックスして過ごしましょう:唾液の分泌は、自律神経(交感神経、副交感神経) によって調節されています。食事や寝る時間がバラバラで、自律神経のバランスが崩れると、唾液の分泌に影響します。規則正しいリズムで生活することが大切です。

  3. 唾液腺マッサージ:唾液の流れがスムーズになり、唾液が出やすくなります。

まとめ

どうしても加齢変化により唾液が減少していきます。それをいかに防いでいくかでQOL(生活の質)の向上が大きく変わっていき、美味しい食事を最後まで食べられるようになるかと思います。

そのためには唾液の役割などを理解し、唾液を減少させないための日々の行動が必要になってきます。

 

 

 

 

 

 

 

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