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嘔吐反射(絞扼反射)

こんにちは歯科医師の小野寺です。

日常で歯ブラシしている時などにえずいてしまったりする事はありませんか?

私もたまにあるのですが、それが偶然歯ブラシがお口の奥の方に入ってしまったかも知れませんし、軽度に絞扼反射が出ているのかも知れません。

それは嘔吐反射ではないの?と思われるかも知れません。

実際には吐物などを伴わない嘔吐様の反射を嘔吐反射ではなく絞扼反射と言います。

なので歯科医院で起こっている嘔吐様の反射はほとんどが絞扼反射になります。

これより絞扼反射で説明していきます。

絞扼反射とは

絞扼反射とは、お口の中(舌、軟口蓋、咽頭部、喉頭部、他の部位)の刺激により誘発される吐物を伴わない嘔吐様の反射であります。

絞扼反射があるとどうなるの?

本来は有害な物質が侵入するのを防ぐ防御反射です。そのため全ての人に備わっています。

しかし、絞扼反射が著しい場合は

  • 歯ブラシが上手くできず(舌側)虫歯や歯周病になりやすい。
  • 歯科治療時に使用する切削器具や水や分泌物を吸引するためのバキュームを挿入が困難で治療が上手くできない。
  • 型取りの材料(アルジネート印象材、シリコン印象材)をお口の中で固まるまでの時間置いておくことが出来ず型取りが困難。
  • 入れ歯の製作、使用が難しい。

など歯科治療においては様々な困難が発生します。

今まで絞扼反射がある方の歯科治療はどうしていたの?

1、そのまま歯科治療を受ける。

絞扼反射も人により様々でそのまま治療を行うことができる患者さんもいれば、とても我慢しながら治療を受けていることもあります。

2、笑気吸入鎮静法で治療

笑気吸入鎮静法は鼻に小さなマスクを当て、低濃度の笑気(亜酸化窒素)と高濃度の酸素を吸い、緊張感が和らぎ、治療中もウトウトと眠るようなリラックス状態にしてから歯科治療を行います。

3、歯科治療を中断してしまう。

歯科治療を行うとストレスがかかったり、絞扼反射が出てしまい歯科治療を中断してしまうことがあります。

これからの絞扼反射の治療

1、静脈内鎮静法による歯科治療

静脈内鎮静法とは、静脈内に抗不安薬や鎮静薬を点滴することでリラックスして治療を受けられるようにする方法です。

鎮静剤が効いてくると浅く麻酔がかかったようになり、難しい抜歯等の外科治療でも半分眠っているようなウトウトとした状態でほとんど痛みを感じずに受けることができます。静脈内鎮静法には健忘作用もあるため、中には治療中の記憶が残らない方もいます。

なので型取りなども苦痛を感じる事なく行う事が出来ます。

2、口腔内スキャナー使用による型取り

この方法は歯科治療を受ける事ができるが型取りが苦手な患者さんにはとても有用な方法かと思います。

口腔内スキャナーと呼ばれるカメラで歯型を撮影してパソコン上に模型を再現する方法です。

従来の型取りは型に粘土の様な印象材(アルジネートやシリコン)を使用し、お口の中で3~5分ぐらい置いておく事で固まっていき、歯型が取れるというものです。

お口の中で置いておかなければならない事がとても辛い患者さんが多いです。

口腔内カメラであれば長時間お口の中に入れておく必要はないためストレスなく型取りを行う事が出来ます。

欠点として将来的には保険適応になるかもしれませんが現在は自費診療にのみ使用できます。現在口腔内カメラ自体が大きいので奥歯を撮影したりする時には絞扼反射が出てしまうかもしれません。

※デンツプライシロナHP引用

まとめ

歯科診療においても少しずつですが絞扼反射に対して苦痛なく治療を行えるようになってきております。

当院では

1、静脈内鎮静法による歯科治療、型取り

2、口腔内スキャナーによる型取り

を行う事で絞扼反射のある患者さんでもあまりストレスを感じる事なく治療する事が出来ているのではと思っております。

ぜひともご興味があればご連絡いただければと思います。

南小岩の歯医者 | 小野寺歯科医院

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